冬という季節でもあり、こんな社会情勢でもあり、なのでしょうが、最近突然の不調にみまわれている方が続出しています。そんなお客様で多いパターンが、自分では気づかないうちに疲れ切って体がガチガチになっている方。さらにひどくなると、突然倒れたり、急に高熱が出たりして寝込む方。頑張り屋さんの女性に多いです。
マスク生活・自粛生活も長くなり、呼吸が浅くなっていることもあるでしょう。ここ二年、普通に風邪もひけない状況(ひくとマズそうな社会情勢で)に体が耐え忍んでいたのが耐えられなくなり、喉に来る風邪をひいている人も多いようです(整体の先生曰く、「捻じれ風邪」といって身体が捻れて来るとなるそうです)。
ヒーリングを受けていただくと緩みますし、骨盤・骨格がゆがみすぎている人などには体の面からケアしてくれる整体の先生を紹介したりもしてますが、毎回合金フィギュア(!)のようになっている方も多いので、今日はわたしの購読しているメルマガから「ガチガチ女子に役に立つかも」という対談記事を紹介させていただきますね。
医師 小池雅美先生
第2回「会話から読み解く病気のサイン」
---前略---
Future Report研究員:お話を聞くとメンタルが体調にかなりの影響を及ぼすということだと思いますが、先生に限らず、多くのクライアントさんも同じですか?
小池:メンタルをケアするとサプリが要らなくなる患者さんが多いんです。
現状はサプリを入れないと体が動かないくらい、エネルギーのロスが多いということなので。
みんな「嫌だけど○○しなくてはいけない」という義務感で動いていて、そこに体力を使ってしまうのです。
Future Report研究員:先生はクライアントを大勢見ていらっしゃると思います。
メンタルを変えていくためにどのようなことをなさっているのですか?
小池:大体話すだけですね。
Future Report研究員:話すだけ?
コーチングみたいなことでしょうか。
小池:例えば「お母さんは好きですか?」と聞いたりしますね。
「お母さんという言葉からイメージするものを10個言ってください」と質問すると、母親関係のトラブルがある人はネガティブワードが出てくるか、言葉に詰まることが多いのです。
答えられないというのは、過緊張を起こしていて触れられたくないというサインです。
そういう人は「お母さん」というワードを聞くたびに緊張状態になります。
日中過緊張だとアドレナリンが出るので、肝臓のグリコーゲンはみんな出ていってしまうのです。
肝臓の充電がなくなると、低血糖を起こしやすくなります。
交感神経が亢進していると自覚症状が乏しくなりますから、そのまま動き続けてどこかで倒れたりすることもあります。
Future Report研究員:まず、トラウマや「こうしなければならない」という思い込みを解いていくということだと思いますが、そのテクニックは心理学やコーチングともちょっと違う気がします。
どこかで学ばれたのでしょうか?
小池:独学ですが、似ているのはまごめじゅんさんが実践している梯谷先生のテクニックです。
いくつかのテクニックを参考にしていますが、カンセリング自体はその前からずっとしています。
私は相貌失認があって顔と名前は覚えられないのですが、パーツは見ているので変化がすごくわかるのです。
言葉に反応してパーツの動きに変化が起こるのを読み取ります。
表情が読み取れないぶん、精度が高いのかもしれません。
Future Report研究員:話しながら変化を観察していくわけですね。
小池:あえてカウンセリングでなくても食事をしながらのおしゃべりや、帰りの電車の中でも世間話をしながら過緊張の原因を探っていきます。
相手はいつ思い込みを解除されたのか気がつかないこともあります。
これを長期ですると皆さん変わっていきます。
Future Report研究員:変わっていくということは体調が良くなるということでしょうか?
小池:体調というか、人生が変わります。
必ずしも体調を上げる必要はないと思っているんですよ。
最終目標は幸せになることなので。
例えば心臓が悪いからといって、幸せになれないということはありませんよね。
手足がなくても人工呼吸器になっていても、幸せになって構わないのです。
どうして健康にならなければいけないのでしょうか?
健康はただのアイテムだと思うんですよ。
道具としての健康であって、健康が目標になっていたら絶対元気になりません。
健康な人は健康になろうと思いますか?
「健康にならなきゃいけない」と思っている時点で不健康な人です。
Future Report研究員:思い込みに捕らわれているということですね。
小池:思い込みが強い人はずっと過緊張で疲れています。
ところであなたは疲れていますか?
Future Report研究員:すごく疲れやすいです。
小池:低血糖や鉄欠乏の症状かもしれませんね。
今日の朝ご飯は何ですか?
Future Report研究員:今日は何も食べていないです。
ちょっと朝バタバタしていたので。
小池:自分のことどうでもいいと思っているんでしょう?
Future Report研究員:いえ、朝食べるとだるくなったり、眠くなったりもするので。
小池:「朝バタバタしていたので」という言い方は、「ゆっくりできたら食べた」ということですよね?
朝食を食べると不調になるのであれば、はじめから食べないという選択をすればいいのであってそういう言い方はしませんよね?
まず全身から「頑張ってます感」を出すのをやめようか?
Future Report研究員:え、出してます?
小池:表情の硬さ、声のトーン、切迫した印象。
「こんなに頑張っているんだから、私を見て」みたいな感じですよね。
それはただのアドレナリン出過ぎによる症状ですよ。指先は冷える?
Future Report研究員:指先は冷えやすいですね。
小池:手汗は?
Future Report研究員:手汗は出ています。
小池:それは低血糖のサインです。
血糖値を維持するために交感神経が亢進しているときの症状です。
自分のネガティブな性格や体質と思っているものはただの症状です。
なんで朝バタバタするのがわかっているのに早起きしなかったの?
Future Report研究員:タイマーをかけても起きられなかったからですね。
小池:起きられないのは症状ですよね、ただの夜間低血糖ですよ。
日中ずっと緊張しているんじゃないですか。
Future Report研究員:どこから治していけばいいですか?
小池:そもそも治したいの?
今幸せだったら治す必要はないですよ。
▼無意識の刷り込みをどう外していくか
Future Report研究員:先ほどの話だと家族との関係が健康に影響を与えているということでした。
無意識のうちに刷り込まれているということですか?
小池:動物はお母さんに獲物を取ったり、「ここは危ないよ」と教えてもらったりします。
それを覚えるのが当たり前なんですよ。
でもDVなどやらなくていいことまでコピーしてしまいます。
それ自体は本能ですが、自分で気づいて外すこともできるんですよ。
Future Report研究員:先生にもご家族からの刷り込みはあったのですか?
小池:かなりえげつなくありましたね。
父親にされて嫌だったことを子どもにしてしまったこともありました。
Future Report研究員:その刷り込みはどなたかに外してもらったのでしょうか?
小池:自分でだんだん気がついていった感じですね。
Future Report研究員:何かきっかけがあったのですか?
小池:いろいろありますが、最初は「仕事についてどう思う?」と聞かれたことですね。マッサージの先生にたまたま聞かれたのです。それに答えていったら仕事やお金という言葉に対して「苦しい」とか「つらい」という言葉がたくさん紐付いて出てきたんです。
そのことに自分で笑っちゃって。「お金をもらうのが怖い」「働くのも嫌だ」と思いこんでいたことに気がつきました。
多分その経験からアレンジしているんだと思います。
Future Report研究員:ふとしたことがきっかけで、メンタルブロックを自分で取ったということですか?
小池:かなり取っていますね。
たくさん本を読んで勉強もしましたし、歩きながら気づくこともあります。
Future Report研究員:普通の人はなかなかそれができないと思います。
読者のために何かもう少し具体的なヒントを教えていただけませんか?
小池:まず朝起きたときに「あれをしなきゃ」「これもしなきゃ」と思うとアドレナリンがバンッと出ます。
「しなければならない」というのはしたくないというニュアンスを含んでいます。
それだけでグリコーゲンの充電が出て行ってしまうのです。
イヤイヤ行動しているとエネルギーが放電されるから、夕方には疲れきってしまいます。
その状態が当たり前と思っているとエネルギーの浪費が続きます。
「嫌いだけどやる」と自覚して選択するのはアリなのです。
Future Report研究員:やるかやらないかの選択肢は自分にあると考えるんですね。
小池:それだけで全然変わってきますね。
嫌だと自分が知っていれば対策が立てられるんです。
「もっと楽するためにはどうすればいいのかな」と考えたり「嫌なことを頑張ったからおいしい物を食べちゃおう」とご褒美を与えたりできます。
当たり前だと思っているとそこが置き去りになってしまうのです。
Future Report研究員:自分を大切にできなくなるのですね。
小池:とくに日本では女性は自己犠牲が当たり前になっていて、自分を痛めつけている人が多いです。
その思い込みを外してあげないとずっと緊張しているし、お腹も動かないんですよね。
何万円、何十万円もサプリを入れても絶対に効きません。
サプリを入れたところで嫌なことをするためにエネルギーや栄養を使うわけですよ。
無駄じゃないですか?
Future Report研究員:エネルギーの消費量が大きすぎて、体をつくることに栄養が回っていかないわけですね。
小池:自分の行動を選択できるという概念がないままサプリを入れると体調が上がってもっと我慢できるようになるので、最悪自殺まで追い込まれかねません。
例えばブラック企業に勤めている人が、「だるいから」といって鉄剤やタンパク質を入れたら、体は動くようになりますよね。
ますます無理が効くようになるので雇用主はさらに仕事を与えます。
どんどん睡眠時間が短くなってサプリの量が増えます。
にっちもさっちも行かなくなって、そこから逃げるには死ぬしかなくなるんですよ。
栄養療法は我慢させるための手段ではないし、目的が違うと思います。
Future Report研究員:健康を目指していたはずなのに不幸になってしまうのですね。
小池:私たちは奴隷になるために栄養を薦めているわけではないのです。
その人が幸せにならないのであれば、サプリは一切飲む必要がありません。
ブラック企業にいる人に「なんでその会社辞めないの?」と聞くと、だいたい「仕事は好きなんだけどね」「仲間はいいんですけどね」という言い方をします。
その言葉が出た時点でその会社は辞めるべきです。
Future Report研究員:どうしてですか?
小池:自分に言い訳しなければ居られないような会社だからです。
そういう人は会社に対して仕事に関する交渉もできていないし、業務の改善点も絶対言わないはずです。
Future Report研究員:ひたすら我慢してしまうのですね。
小池:その仕事を辞められたとしても、新しい職場を選ぶときに時給で見るんですよ。
どうせブラックだったら時給が高いほうがいいじゃないですか。
でも一番給料が安いところを選んでしまいます。
Future Report研究員:自信がないからですか?
小池:そうですね、でも自信のなさはただの低血糖の症状です。
Future Report研究員:血糖を安定させれば自信がつくということですか?
小池:下がった血糖を上げるためにアドレナリンが出るのですが、それが不安をかきたてるのです。
血糖値を安定させるだけでかなり落ち着きます。
治療法として最初ははちみつ水を飲ませたり補食をとらせたりして、食事で徹底的に血糖値を安定させるんですよ。
そうするとアドレナリンが出なくなるので肝臓にグリコーゲンがチャージできます。
チャージできれば食べなくても良い時間が延びるので、補食やはちみつはほとんど必要なくなります。
もうちょっと代謝が上がると糖新生ができるようになります。
でも胃腸機能が弱い人は補食だけでお腹いっぱいになってしまうんですよ。
Future Report研究員:量を食べられないということですか?
小池:食べられない人は、はちみつ水からスタートします。
血糖値が安定した頃には不安感がなくなっていろいろなことにチャレンジができるようになるのです。
Future Report研究員:基本的には3食食べたほうがいいのですか?
小池:個人差がありますね。
肝臓のチャージ量で何食がいいのかは全然違います。
女性は鉄欠乏が多いのでどうしても自律神経が不安定になり血糖が安定しません。
女性で「食べないほうが動ける」と言う人は、食事すると血糖値を上げるためのアドレナリンが止まってかえって動けなくなっている場合が多いのです。
Future Report研究員:血糖値を安定させるために、朝ご飯を食べて補食を摂るのが良いということでした。
その次には何をさせるのですか?
小池:自分のことをあまり好きじゃない人が多いので、それをどうにかします。
Future Report研究員:基本的には会ったばかりの人のどこを見て判断するのでしょうか?
小池:顔つきや骨格に出ますよね。
例えばあごが細くてエラが張っている人であれば、成長期以前からの栄養不足と夜中の食いしばりがあります。
食いしばりは夜間低血糖の症状です。
グリコーゲンの貯蔵ができていないということは日中ずっと緊張しているからです。
無意識かつ長期間の緊張、それはほぼ間違いなく人間関係です。
「人の目を気にする」という人間関係がどこで形成されたのかというと、たいてい親子関係です。
「いい子にしていないと親に心配かける」「嫌われる」「捨てられる」という思いこみが入っています。
家の中が不安定だったということなので、お父さんとお母さんの関係は破綻していたかもしれないなと推測していきます。
Future Report研究員:過去の因果関係は変えられませんよね?
小池:過去はこれまでの流れです。
「今からどうするのか」という視点が欠けている人が多いので、それを入れていきます。
Future Report研究員:カウンセリングに来られる方の大半は女性ですか?
小池:女性が多いですね。
女性は鉄欠乏の人が多いのでこじれやすいんですよ。
あと、日本は男尊女卑の意識がかなり強いので、そこでメンタルをやられてしまいます。
いまだに家長主義が強い家は男の子が大切にされて、女の子は「おまえはダメだ」という扱いになりがちです。
両親にはそのつもりはなくても祖父母や親戚が何気なく言ったことばが記憶に残っているケースもあります。
女の子は家族から捨てられないために、いろいろなことを頑張って、我慢するしかありません。
いい成績を取ったり弟の世話をしたりしても、長男が第一です。
逆にその負担が重くのしかかってメンタルをやられている男性もいます。
例えばとある地方では長男が墓を守っていかなければいけないので、どんなに成績がよくても県外の大学には行かせてもらえません。
地方の大学生のTwitterを見ているとそういう投稿がポロポロと出るんですよね。
Future Report研究員:先生はTwitterでもその人の内面がわかるということですね。
小池: SNS経由の依頼であればその方のタイムラインはざっと見ます。
食べている物や日頃の口癖が出てくるので、本人に会わなくてもだいたいわかります。
Future Report研究員:女性の場合はジェンダーギャップに苦しめられている人が大半ということでした。
そういう方は血糖値も乱れているのですか?
小池:本人は自分の性格の問題だと思っています。
血糖値が乱れているということは日中過緊張ということです。
その原因を外していくとだんだん良くなってきます。
それ以降、わたしは、やりたくないことがあると「やりたくない~! いやだ~!」と言いながらやっています(笑)。誰しも人生、やりたくないことはありますものね。「やりたくない」と思うことは悪いことではないんです。自覚してちゃんとわかってあげたうえで自分が選択すれば、体は納得して緩んできます。